ロコモティブシンドローム

このような症状はありませんか?

  • 片足立ちで靴下を履くのが難しくなった
  • 以前より重いものの持ち運びがつらくなった
  • 階段を上り下りする際に手すりがないとつらい
  • 15分程度継続して歩くことができない
  • 家の中でつまずくことが多くなった
  • 平らな場所で滑る、転ぶことがある
  • 掃除機をかけるのが体力的に難しくなった
  • 今まで青信号の間に横断できていた交差点で青信号の間に渡り切れなくなった
  • 身体のバランスを取ることが難しくなった

など

上記のような体が上手く動かないといった症状が見られる場合、ロコモティブシンドロームが疑われます。早期に適切な診察を受け、生活習慣などの改善を図ることが大切です。お早めに当院までご相談ください。

ロコモティブシンドロームとは

ロコモティブシンドロームとはロコモティブシンドロームとは、運動器に障害があって移動機能が低下している状態を示す医療用語です。ロコモティブとは、運動できる、移動できるといった意味で、日本語では運動器症候群と言い、単にロコモと省略されることもあります。骨や関節、筋肉や腱・靱帯、動作を司る神経といった運動器のどこかに障害が起こると、移動機能が低下し、やがて介護無しに移動することが困難になってしまいます。ロコモティブシンドロームは、運動器そのものの障害や、加齢、がんなど内臓系の疾患が原因となることもあります。当院では、大きく生活の質を低下させてしまうロコモの予防にも力を入れております。移動に不安を感じる方はいつでもご相談ください。

健康寿命とロコモティブシンドローム

健康寿命とは、健康上の問題で制限なく日常生活を送れる状態を示す期間のことです。他国と比較して日本の平均寿命は長いことが知られていますが、この平均寿命と健康寿命の間には、男性で約9年、女性で約12年の差があるとされています。現在、男性で約9年、女性で約12年のこの健康上の問題で何らかの制限のある状態で生活する期間を極力減らそうといった取り組みがされており、これがロコモティブシンドロームの対策にも繋がるとされています。

サルコペニアとロコモティブシンドローム

サルコペニアとは、ペットボトルのふたを開けることに苦労する、今まで青信号の間に横断できていた交差点で青信号の間に渡り切れなくなったなど、加齢に伴い筋力が低下することで起こる状態を指します。ロコモティブシンドロームに含まれ、フレイルに影響を及ぼす病態です。サルコペニアとロコモティブシンドロームの違いとしては、サルコペニアは筋肉だけの障害を示すのに対し、ロコモティブシンドロームは関節や骨、筋肉、神経といったすべての運動器の障害を示すといった点があります。

フレイルとロコモティブシンドローム

フレイルとは、加齢による身体機能の低下が原因で健康な状態と介護が必要な状態のはざまにある状態のことを示します。生活習慣の改善により、健康な状態に戻ることもある状態です。フレイルには、低栄養や嚥下といった身体的側面と、認知機能の低下など精神的側面、社会との交流が減ることによる孤立や孤独など社会的側面の3つの側面があります。フレイルの改善を図るためには、サルコペニアの予防が必要ともされています。

ロコモティブシンドロームの
検査・診断

ロコモティブシンドロームかどうかは、下記のような3つの検査を行うことで判断します。

立ち上がりテスト

下肢の筋力を測るために、一定の高さの台に座った状態から反動を付けずに立ち上がることができるかどうかをテストします。反動を付けないために、腕を胸の前で交差させておきます。台は40cmから10cm刻みで10cmの台まで4種類が用意します。
まずは両足で40cmの台から立ち上がることができるか確認し、できれば次は片足で同じ高さの台から立ち上がることができるかをテストします。立ち上がることができたら、立ち上がることができなくなるまで台の高さを低くしながら片足立ちにチャレンジします。片足立ちは左右両方の足でそれぞれチャレンジします。
もし、40cmの台で片足立ちに失敗した場合は30cmの台で両足立ちにチャレンジします。
いずれの場合も、立ち上がることができた一番低い台がテスト結果で、その結果次第でロコモ度1~3までが判定できます。なお、ロコモ度は数値が低いほうが移動能力低下の進行が少ないことをあらわしています。

2ステップテスト

この方法では、大股で2歩歩いた歩幅を測ることによって、下肢の筋力・柔軟性・バランス力といった総合的な歩行能力を測定します。
まずは、スタートラインに両足を揃えて立ち、できるだけ歩幅を大きくとって2歩歩きその塲に両足を揃えて立ちます。
この2歩の長さをcm単位で測定し、cmであらわした身長で割った数値が2ステップ値となります。
2ステップ値が1.3以上の場合は正常、1.1以上1.3未満の場合ロコモ度1、0.9以上1.1未満の場合ロコモ度2、0.9未満の場合ロコモ度3となります。なお、ロコモ度は数値が低いほうが移動能力低下の進行が少ないことをあらわしています。

ロコモ25

ロコモ25では、身体の状態や生活状況を確認し、ロコモティブシンドロームかどうか、またその程度を判断します。

過去1か月の身体の痛みについて

  0点 1点 2点 3点 4点
Q1.
頚・肩・腕・手のいずれかに痛みや痺れはありますか?
痛くない 少し痛い 中程度痛い かなり痛い ひどく痛い
Q2.
背中や腰、お尻のいずれかに痛みはありますか?
痛くない 少し痛い 中程度痛い かなり痛い ひどく痛い
Q3.
足の付け根や太もも、膝、ふくらはぎ、すねなど樫のいずれかに痛みや痺れはありますか?
痛くない 少し痛い 中程度痛い かなり痛い ひどく痛い
Q4.
日常生活の中で身体を動かすのはどの程度つらいですか?
つらくない 少しつらい 中程度つらい かなりつらい ひどくつらい

過去1か月の生活について

  0点 1点 2点 3点 4点
Q5.
起床や就寝するといった動作はどの程度困難ですか?
困難でない 少し困難 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q6.
腰かけ(イス)から立ち上がるのはどの程度困難ですか?
困難でない 少し困難 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q7.
家の中を歩く(移動する)のはどの程度困難ですか?
困難でない 少し困難 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q8.
洋服(シャツなど上肢の着替え)を脱ぐ、着るなどはどの程度困難ですか?
困難でない 少し困難 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q9.
洋服(ズボンなど下肢の着替え)を脱ぐ、着るなどはどの程度困難ですか?
困難でない 少し困難 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q10.
トイレで排泄することはどの程度困難ですか?
困難でない 少し困難 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q11.
お風呂で身体を洗うことはどの程度困難ですか?
困難でない 少し困難 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q12.
階段を上り下りすることはどの程度困難ですか?
困難でない 少し困難 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q13.
急ぎ足で歩くことはどの程度困難ですか?
困難でない 少し困難 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q14.
外出時に身だしなみを整えることはどの程度困難ですか?
困難でない 少し困難 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q15.
休まずにどの程度歩き続けることができますか?
2~3㎞以上 1㎞程度 300m程度 100m程度 10m程度
Q16.
近所に外出するのはどの程度困難ですか?
困難でない 少し困難 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q17.
2kg程度の買い物(1ℓの牛乳パック2本程度)をして持ち帰ることはどの程度困難ですか?
困難でない 少し困難 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q18.
電車やバスを使用した外出はどの程度困難ですか?
困難でない 少し困難 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q19.
食事の準備や後始末、簡単な部屋の掃除などはどの程度困難ですか?
困難でない 少し困難 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q20.
掃除機を使用した掃除や布団の上げ下ろしなどはどの程度困難ですか?
困難でない 少し困難 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q21.
軽いスポーツ(水泳やダンス、ジョギング)をすることはどの程度困難ですか?
困難でない 少し困難 中程度困難 かなり困難 ひどく困難
Q22.
親しい人あるいは友人との付き合いをどの程度控えていますか?
控えていない 少し控えている 中程度控えている かなり控えている 全く控えている
Q23.
地域の活動(イベントなど)への参加をどの程度控えていますか?
控えていない 少し控えている 中程度控えている かなり控えている 全く控えている
Q24.
家の中で転ぶのではないかと不安ですか?
不安はない 少し不安 中程度不安 かなり不安 ひどく不安
Q25.
この先歩けなくなるのではないかと不安ですか?
不安はない 少し不安 中程度不安 かなり不安 ひどく不安

結果

上記Q1.~Q25.の特典を加算してください。その上で、下記判定基準をご確認ください。

7点以上16点未満 ロコモ度1
16点以上24点未満 ロコモ度2
24点以上 ロコモ度3
ロコモ度1

移動機能の低下が始まってきている状態です。

ロコモ度2

移動機能の低下が進行してきている状態です。

ロコモ度3

移動機能の低下が進行し、社会参加に何らかの支障が生じてきている状態です。

ロコモティブシンドロームの予防

ロコモティブシンドロームは、疾患による体力の低下、運動器自体の疾患や故障、加齢による筋力の低下や関節の潤滑性の低下など、様々な要因が単体、あるいは重なりあって生じます。しかし、原因となる疾患や故障をしっかりと治療し、同時に筋力を高めたり柔軟性やバランス力を高めたりするための運動などで身体をしっかりと動かすことで必ず回復していくことが特徴です。
ロコモティブシンドロームから回復するための運動をロコトレと言います。これは基本的に、左右それぞれの足での1分間の片足立ちを日に3回、ゆっくり2~3秒で腰を落とし、ゆっくりと腰を上げるスクワットを1セット5~6回、1日3セットという2種類の運動をしっかりと毎日続けることで、予防や回復が可能になります。
また、栄養状態のバランスも大切で、食事の量は身体の維持に必要なエネルギーから多すぎても少なすぎてもロコモを進行させやすくなってしまいます。また、筋肉を維持したり育てたりするために、適切な量のたんぱく質を摂取し、それに加えてビタミンDを補給していくことも大切です。ビタミンDは食物から摂取する、日光に当たるなどで補給することが可能ですが、難しい場合は市販のサプリメントなどでも大丈夫です。

自覚症状がなくても要注意

現代は、自分の足で歩くということが少なくなり、その分運動不足に陥りやすく、生活習慣病のリスクが高くなるとともに、ロコモの可能性も高くなっています。
特に自分では日常生活に不便を感じていなくても、すでに軽度のロコモになっているケースも多いため、しっかりと自身の身体能力をチェックし、推奨される運動などを行って、ロコモを予防したり、進行を食いとめたりすることが健康寿命を延ばすために大切です。

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